2006.12.4 終演、そして

 2006-12-04
一人の負傷者も出さず、無事に「ハムレット」の公演を終えることができました。
正直ホッとしております。
2回の公演を合わせてトータル1000人以上の動員を記録し、本当に嬉しい限り。
観に来てくださった全ての皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。


・・・さて、それでは私が出た場面を中心に本公演の裏話をいくつかご紹介しましょう。



◎冒頭
緞帳が開くと、ハムレット・レアティーズ・フォーティンブラスがいきなり登場する冒頭のシーン。
父と妹の死を嘆き、レアティーズは膝をついていた訳ですが、緞帳裏では正直嘆くどころじゃありませんでした。
開演ブザーは役者の緊張を最高潮に持って行きます。だからブザー後は本当に集中しようとしてました。なのに、アレですよ。最初の某挨拶がカミカミで、それを聞いてたら気持ちが途切れる途切れる・・・。んでもって、その後の前座がすばらしくウケテいたものだから、そこでもまた違う意味で集中が・・・。
前座の漫才はいいとして、その前のはいかんわなぁという事で、午後の部は3人とも前座が始まってからスタンバイする事にしました。


◎フランスへ旅立つシーン
シアターの代表が演じますポローニアスが長々と説教をしている間、当の息子のレアティーズは妹のオフィーリアと喋っているというこのシーン。実は午前と午後で長さが全然違います。
私と妹は声にこそ出してませんでしたが、おしゃべりの内容をちゃんと決めていて、お父さんの「人の話に耳を傾けろ」のセリフでその場だけの振り向きをするようタイミングを合わせる練習をしてました。
ところが、午前の部では、セリフがうまく出てこなかったのか、お父さんが思いっきりセリフを飛ばしました。こちらが喋りたい事を喋る前にいきなり「耳を傾けろ」の説教を飛ばしてきたのであります。

一応振り向き、その後もお喋りを続けたものの、オフィーリアの目はものすごく「困ったわ、お兄さま」と訴えかけてきます。恐らく私も同じような目をしていた筈です。
結局お父さんはその後もセリフを飛ばし、最後の決めゼリフも覚えている別のセリフと差し替え、僕を送り出してくれました。
午前の部が終わった後、お父さんに「自分、ものごっつう困った顔しとったなぁ」と言われ「この若手潰し!」と心の中で叫んだのはここだけの話です。
午前のこのシーン、ホントにどう写ってたんだろう?
困った顔が分かるのは役者だけの話だといいんだけど・・・

もし次にお父さんが詰まった場合は自分が何か喋ってしまおうと思い、私はこっそりセリフを昼休憩中に考えて午後の部に望みました。でも、それは私の取り越し苦労でした。
一つも漏らさず説教をしてくれるお父さん。今回は私も妹も素直な笑顔です。最後の決めゼリフ後の抱擁は「立派ですよ、お父さん!」という僭越ながら私からの祝福を込めた抱擁でした。いや、ホント抱擁の瞬間だけは演技じゃなかったな・・・


◎フェンシングでの3番勝負
最初に「一人の負傷者も出さず」と書いたのは別におおげさでもなんでもなくて、ラストにこのシーンがあるからに他ありません。
フェンシング部に行っての最後の稽古では、何回も押し倒されてるうちにこっちの体力の限界が来てしまって、納得がいくまでの練習できず、ハムレット役の方には申し訳の無い事をしてしまいました。
でも、前日のリハの合間に舞台上でやってみたら、結構上手くいき、代表からも好評を得ました。で、本番では今の調子で「軽く、早く、正確に」やろうと申し合わせたのですが・・・、
やっぱり本番じゃ力んじゃいますね。午前の部じゃ最後に勢いつけて叩きつけるサーブルがえらい方向に行ってしまいました。何とかハムレットがガードしてくれたので良かったですけど・・・
まぁミスはそれ一個で済みまして、何とか通す事はできました。俺って、運動神経全く無いのにね? 
自分でも正直ビックリしてます。半分は宇宙刑事の殺陣を見てたお陰かな?
ちなみに、午前の部では私が倒れたすぐ近くで局地的な地震が発生し、そこの柱だけがグラグラ揺れていたそうです。どうやら、オズリックがコケたらしいのですが、ハムレットと私は全然気付いてませんでした。


◎断末魔
死んだ後、息が荒れてるんで、どう我慢しても背中が動いちゃいますね。ある芝居のビデオを観て「この俳優、死んでるのに思いっきり背中で息してるよ」ってツッコんだことがありますが、考えが甘かったですね。

午前の部を御覧になった我が愛すべき後輩達からは
「フェンシングの後、先輩だけ髪の毛が寝癖みたいになってて大爆笑しました」
「死に方が一乗寺さん(※以前私が演じた刑事の役)で最後の最後に笑ってしまいました」
などなど、好評を頂きました・・・

あの、俺、今回はお笑い担当じゃないんですけど。

てか、髪型なんか、死にかけなのに気づかねぇっつうの!

でも、見てくれってのは大事ですからねぇ。
アドバイスに従い、午後の部では毒に苦しみ、頭をおさえるふりをしながら一生懸命髪形なおしました。女王に目が行っているうちに。
少なくともカーテンコールまでにはまともな髪型に戻っていたと思いますが、いかがだったでしょうか?
おかげで私の手はヘアスプレーの色で金ピカになりました。


◎緞帳が下りて・・・
午後の部を終えて、ハムレット役の方とオツカレの抱擁を交わしました。フェンシングの稽古に2人で行ったり、その後で呑みに行ったりして、キャストの中では一番一緒にいる時間が長かったと思います。

セットのバラシは驚異的な早さでした。1時間半ほどで搬出できましたから。大道具さんの職人技と人数の多さが生んだ結果ですが、そのお陰でキャストには打ち上げまでの間、30分ほどの空き時間ができ、私とクローディアス様は近くの銭湯に行ってきました。ヘアスプレーを洗い流せて、非常にサッパリしました。芝居後の打ち上げにお風呂入るのもいいですね。

打ち上げはホント楽しかったです。特に誰かが面白い事やったとかではないんですが、みんな良い顔していて、非常にいい雰囲気で芝居がやれたんだなという事を改めて実感しました。
ここなら、これからも芝居を・・・


ええ、そうです。
来年からはシアター生駒に正式に所属する事にしました。
代表は私が将来したい事を知っていて、今回のハムレットも私にとって勉強になるからと誘ってくれたのです。知らないことが多すぎる私をこんなに応援してくれる杉本さんは、役を離れてもお父さんみたいな存在です。
今回の「ハムレット」も誰一人欠けても成立しなかったに違いありませんが、人との出会いってホントに大切なものだなぁ・・・と
とにかく、背中をボン!と押して送り出してもらえるまで、ここでしっかり修行していくつもりです。




【追記】
初演ながら、杉本さんと私の立ち位置は、すでに完成してますね。
(「耳を傾ける話なんか何一つしてませんやん!」っていうw)
そんな私が、送り出されるどころか、未だに生駒でノビノビ芝居をしているのは、皆様、ご承知の通りです。

スポンサーサイト
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

シアター生駒

Author:シアター生駒
笑いと涙、そしてペーソス・・・だから演劇はおもしろい! 奈良は生駒を舞台に活躍する、生駒市民劇団「シアター生駒」です!!

最新記事
最新コメント
カウンター

カテゴリ
最新トラックバック